それは、輝く星空のように
「・・・だったら、素直に出ていくのが一番だと思う。奴らはヤバイ」


柏木権造という男は、数多いヤクザの中でも、相当に恐れられているらしい。


まともな人間では、まず相手にならないという。


「そんなことをするくらいなら、死んだほうがマシかもな」


固い決意を持って、言葉を発する。


気持ちは、わたしも同じだった。


ようやく取り返した、この家。


今、また失うわけにはいかない。


おにいちゃんの帰る場所が、なくなってしまう。


「・・・ちっ」


智徳さんは大げさに舌打ちをする。


頭をかく。


次に彼の顔を見たとき、目に強い光が宿っていた。



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