それは、輝く星空のように
――仕事だ。


開口一番、そう言ってきた。


口調は重く、冷たかった。


『本当か?』


『そうだ・・・』


今まで智徳が聞いた中で、最も暗い口調だった。


ことの深刻さを理解するには、十分だった。


『ウチの会社が、不動産もやっていることは知ってるな?』


『・・・ああ』


恭介が働いているフロント企業は、不動産や飲食店経営など多岐に渡って展開している。


七尾家の土地も、その企業の持ち物だ。


七尾春美に買い取られるまでは、その土地に建っていた家も。


それは、権造に従う理由の一つだった。


『・・・・・・』


恭介は、口を開こうとしない。


普段はうっとうしいと思う程に、多弁だというのに。


頭の中で警鐘が鳴る。


まずい。


耳をふさげるなら、ふさぎたかった。



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