それは、輝く星空のように
――仕方がないんだ。


智徳は、何度も言い訳をした。


――どうにもならないことは、どうにもならないんだ。


自分が彼女たちの助けになると言ったときの、少女の顔を思う。


希望を失わない、強さを秘めた目。


あのときと変わらない。


その彼女が、自分を頼りにしてくれる。


心が躍った。


応えてやりたかった。


だが、相手が悪すぎる。


柏木権造の前では、小僧の一人や二人の力など無力に等しい。


口では助けると言いながら、彼女たちを追い込む。


茶番でしかない。


茶番の主役は、ひとりの外道だ。


「まだ俺は、死ねない・・・!!」


あの人に恩を返すまでは。


そう思うことで、なんとか自分を納得させた。


少年は、不器用だった。


不器用だったから、金を集めることでしか恩を返せなかった。


そして、もうひとり。


智徳とは別の場所で苦悩している少年がいた。


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