それは、輝く星空のように
「・・・そんな、滅相もない・・・」


恭介は絞り出すように声を発する。


「親を喰らう豚が、どこにいるのでしょう?」


「・・・・・・」


権造は、ただ可笑しそうに笑っている。


――敵わない。


恭介は、敵の強大さを理解した。


何故、刃向おうなどと考えたのか。


「雪村の町の一軒家について報告します」


「おう」


「あの家は、世帯主である七尾春美にとって、命にも代えがたい重みがあるため、穏便にいくのは難しいでしょう」


「・・・・・・」


「立花組の方々に協力していただいて、プレッシャーをかけましたが、彼女は予想以上に手ごわい相手でして・・・まるでこたえていません」


七尾春美と、七尾菜月。


ふたりは、恭介にとっても大切な人だ。


心の中で謝罪しながら、報告をする。


「そこで、彼女たちと関係の深い羽田智徳を使って、彼女たちを追い出そうと考えています」


権造は終始、黙って話を聞いていた。


その口が動きだす。


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