それは、輝く星空のように
「お前の親が、俺に借りた金はいくらだ?」


その言葉で、恭介の頭が覚醒していく。


「・・・ご、五千万ですっ!」


両親が背負った借金を返すために、恭介は権造の養子となった。


「お前はあのとき言ったな?」


古い話を持ち出してくる。


恭介が、権造と初めて出会ったとき。


「ぼくが働くから、家族は許してください、と」


心が、沈んでいく。


「そのためなら何でもします、とっ!」


我に返った。


千尋、菜月、春美。


親友と共に、守ると誓った人たち。


たくさんの顔が浮かんでくる。


だが、それらを打ち消した。


全身全霊をかけて、振り払った。


心を、凍らせた。


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