それは、輝く星空のように
しばらく、弥生とくだらん与太話に花を咲かせる。


「それで、あたしは言ったのよ。『奥さん、それはだめよ。離婚の危機ですよ』ってね」


「はー、なるほどなるほど」


人生相談ラジオみたいな話になっていた。


「そういや、年上の彼氏とはうまくやってんの?」


「まー、ぼちぼち。関係は良好だけど」


「ふーん」


弥生がニヤついてくる。


「・・・なに?」


照れくさくなって、わたしは不機嫌面で返事をする。


「似てるよね、あんたと智徳さんって」


「は!?」


思わず眉をひそめて大声をあげるわたし。


「あの、陰険で口が悪くて嘘つきで態度が悪くて陰険なひととわたしのどこがっ!?」


「自分の彼氏をそこまで悪く言うのはよそうよ。それと、陰険って2回言った」


「いや、実際あんなに陰険な男はなかなかいないと思う」


だけど、ホントは優しくて頼りになってわたしをドキドキさせてくれるひとなのだ。


「あんなひととわたし断じて似ていないっ!」


言いながら、わたしは思う。


いや、似ているのだ。


自分に対して嘘つきなところが。


それが、仮面をかぶって生きている人間の本質だから。


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