それは、輝く星空のように
不意に、抱きしめられた。


「・・・ありがとう」


昼間だというのに、不思議と照れはなかった。


「俺のそばにいてくれて、ありがとう」


感謝するのは、わたしのほうなのに。


いつも助けられて。


いつも、守ってもらっている。


「智徳さん・・・」


わたしも、抱きしめ返す。


少しでも、彼の優しさに応えられるように。


ぬくもりが、伝わる。


暖かい場所。


失いたくない、ひと。


「絶対に、守るから・・・お前の、たいせつな場所を」


「・・・はい」


そうして、体を離した。



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