それは、輝く星空のように
「しかし・・・」


――妹が自分を探しているとは思わなかった。


ずっと、心配していた。


どうやら、元気にしているらしい。


人見知りが激しいのも直っていないようだ。


仕方のないことだろう、と思う。


「・・・・・・」


机の上から写真立てを取り出す。


中に入っているのは古い写真。


自分と、妹と、父と、母。


家族4人の、幸せな風景。


智徳が最も幸せだった時期に撮ったものだ。


もうあの頃には戻れない。


「くだらない・・・」


懐かしさにふけっても、金にはならない。


それに・・・。


「捨てたんだ・・・俺は・・・」


家族を捨てたのだ。


そんな自分に、家族を心配する権利があるだろうか。


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