それは、輝く星空のように
「菜月、か・・・」


その名は、とりわけ智徳にとって特別な名前だ。


「俺のことがわからないんだな・・・」


年月は、人を変える。


人の記憶もあいまいになる。


「気づくわけないよな・・・」


自分はこんなにも変わった。


金にしがみつき、金の奴隷になった。


彼女がそれを知ったら、どんな顔をするだろうか。


「かまうものか・・・」


深く関わらない。


今までそうしてきた通りに。


そうだ、深く関わらないのが一番だ。


・・・一番のはずだ。


この思いも、胸にしまおう。


ブー、ブー。


またしても携帯電話が震える。


それも仕事相手からだった。


「話はわかったが・・・いくら出せるんだ?」


みんながみんな、金を求める。


「・・・オーケー。契約成立だ」


そうしなければ、生きられない。



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