それは、輝く星空のように
「主に食べ物と漫画とCDです」


お兄ちゃんを探していることを除いてうち明けた。


嘘をついているわけじゃない。


「よし、わかった」


あっさりと引き下がる。


「あれ、いいの?」


疑問に思ってたずねる。


「取られて欲しいのか?」


「そんなわけないじゃん」


「だったらいい。無駄遣いはするなよ」


「うん・・・」


我が母はお金に厳しい。


だが、仕方ない。


お金を集めなければ家族が飢えて死んでしまうから。


無駄遣いは死を意味する。


そう教えられてきた。


わたしたちは口こそ悪いが、親子関係自体はいい。


女手ひとつでわたしを育ててくれた。


家族の思い出が染み付いた、この家も取り戻してくれた。


ありがとう、といつも感謝している。


朝食を食べ終え、家を出た。


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