それは、輝く星空のように
それから、なんだかんだでふたりで登校することになる。


「やー、せんぱいって無愛想なんですねー」


「基本的に人間嫌いだからな」


「あんなに愛想が良かったのはお仕事だからですか?」


「どうだろうな。ただ、ひとつはっきりしていることがある」


「ほうほう。それは興味深いですね。是非ともお聞かせ願いたいものです」


「お前がヘンなヤツだということだ」


「こらっ、うら若き乙女に向かってヘンなヤツとは何ですか。お母さん許しませんよ」


「今のでさらにはっきりした」


まあ、否定はすまい。


だが、自分なりに最低限のモラルと常識は持っているつもりだ。


「・・・・・・」


体よくごまかされた気がするが、余計な詮索はしないでおこう。


高校生なのに、便利屋。


何か、のっぴきならない事情があるに決まっている。


深く関わらない方がいい。


しかし、このひとと話していると楽しいのも事実だ。


馬が合う、と言う感じだろうか。


――これは、たとえ話だけど。


新しい靴をおろすときってあるよね。


最初はなんだか気持ち悪いけど、履き続けているうちに徐々に慣れてくる。


靴ってのは大抵そうだ。


最初から履き心地がいいものって、そうそうないものだと思う。


だからどうだって話。


まあ、つまりはそういうこと。


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