それは、輝く星空のように
「はろー、コンバンハ。元気、平和、青春?」


教室にその声が響いたのはそのときだった。


「来たよ・・・」


ワックスで立てた茶髪に、メガネの下の二重まぶた。


柏木恭介が我がクラスにやってきた。


・・・四角いピザの箱を持って。


「うわぁ、見事に予想通りー」


「恭介さんって、型破りだよね・・・」


「あれを型破りの一言で済ませられる、楓の器の大きさに感服するよ」


何故だか知らないが、恭介さんは何かやらかすたびにウチのクラスに来る。


この間は、服を着せた人体模型を持ってきた。(しかもわたしが持ってきたことにされた)


そのおかげで、クラスの中で彼を知らないものはいない。


知り合いとしては恥ずかしい限りである。


「やあ、女子高生たちよ。青春してるかぁ?」


某せんぱい曰わく埒外が、こちらにやってくる。


「一人じゃ食えないからおすそ分けしに来たぜ!うーん、オレってなんて優しい先輩っ」


「や、正直迷惑なんですけど」


弥生がキッパリと言い放つ。


昼休みに宅配ピザを持ってこられても困る。


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