それは、輝く星空のように
「しかし、せんぱい、通ですねー」


せんぱいと肩を並べてスーパーを回りながら言う。


「どうしてタイムセールの時間なんて知ってるんですか?」


「スーパーの特売日とタイムセールの時間は毎日チェックしている。1円でも安くものを買いたいからな」


「守銭奴ですねー」


「当たり前だ、金は力だぞ。いいか、無駄遣いは死を意味するからな」


お母さんみたいなことを言う。


「1円をバカにするヤツは1円に泣く。これは世の中の鉄則だ」


「はー、そうですかー」


「どうでもよさそうだな」


「そう聞こえましたか?」


わたしも金にうるさいほうだが、彼みたいなことは言いたくない。


人間が小さく見えるじゃん。


「いいか、1円をバカにするヤツは1円に泣く、ハイ、復唱!」


「1円でタコを買うヤツは1円で泣く」


「チゲーよ、誰がタコの話をした」


「いえ、流れ的に」


「流れってなんだよ、タコっぽい流れだったのかっ、てかタコっぽい流れってなんだよっ」


ツッコミに自分でツッコんでる。馬鹿だ。


このひと、見た目(美少年)に反してけっこう面白いぞ。


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