それは、輝く星空のように
「はい、本日のタイムセールは人参とじゃがいもとたまねぎです。お安いですよー」


そのとき、若い店員の声が店内に響いた。


「すべて、お安くなってますよー」


それは、戦争の始まりを意味していた。


瞬間、店内にいたおば様たちの目の色が変わる。


「カレーの材料になるじゃねぇか・・・ヘッヘッヘッ・・・」


隣の守銭奴もすごい豹変振りだった。


目つきが怖い。


「今から1時間、今から1時間ですっ!」


店員が言い終わった瞬間、主婦が猛然と売り場へ直行していく。


わたしはこのときを待っていたのだ。


このときを逃すわけにはいかない。


「さて、せんぱい」


「ああ・・・」


タイムセール品は競争率が高いので、すぐに売り切れる。


「我々も遅れを取るわけにはいきません、あそこは戦場です、覚悟はいいですか?」


「無論だ」


彼の決意は固い。


「じゃあいきますよ、戦火の地へれっつらごー!」


我々は死地へと赴いた。


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