それは、輝く星空のように
戦いは終わった。


両手にはスーパーの買い物袋。


中にはタイムセールの品々を含んだ食材。


そう、我々は勝ったのだ。


夕暮れの街を、せんぱいとふたりで歩く。


せんぱいも、無事にタイムセール品をゲットできたらしい。


「今夜は美味しいカレーですねー」


「・・・俺に感謝しろよ」


「なに言ってんですか。わたしがせんぱいに感謝することなんて、風呂場のカビほどもありませんよ」


「・・・足を踏み外して人混みに飲み込まれかけたろ、お前」


「な、なんでそのことを知ってるんですかっ。さてはエスパーですかっ?」


何でも屋のせんぱいに、エスパー疑惑がかかった。


テレビ局に売れば金にかりそうだぜ、うっしっしっ。


「・・・お前を助けたのが俺だからだ」


照れくさそうに言った。


「え。もしかして、あれせんぱいだったんですか」


「もしかしなくても俺だ」


せんぱいをテレビ局に売ろう、という野望は潰えた。


「それはそれは。どーもありがとうございましたー」


ぺこりーな、と頭を下げる。


「・・・別に」


感謝しろと言ったクセに照れてる。グフフ。


「きゃー、わたしせんぱいの優しさにかんげきー」


「言うんじゃなかった」


なんだか気分のいい日だ。


せんぱいといると、けっこう楽しい。


会ってまだ二日目なのに、そう思った。


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