それは、輝く星空のように
羽田智徳の価値基準はただひとつ。


大蔵省の発行している日本銀行券。


わかりやすく言うなら、金。


それを集めるために、色々なことをして生きてきた。


昔から。自分が義務教育を受けていたくらい昔から。


金は力だ。


この社会の真理には、誰も逆らえやしない。


例えば、世間では都会に分類されるこの街・成田。


ここにある施設、建物、道路・・・この中で、金が絡んでいないものがあるだろうか。


答えはノーだ。


夜の街を歩きながら、そんなことを考えていた。


だが、そんなものは1円の足しにもならない。


商売を始めて以来、この結論は変わらない。


ならば、そんなことを考えるのは無意味だ。


そんなヒマがあるなら、他のことに時間を割くべきだ。



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