それは、輝く星空のように
「ゲホッ、ゲホッ」


男から開放され、息を吐く。


「こ、こんなことをして、タダで済むと、思うなよっ!」


呼吸を整えながら、負け惜しみを吐き出す。


「オレの親父は、警察なんだからなっ」


「・・・・・・」


男は、ただ虫けらを見るような目で山田を見るだけだ。


その瞳には、憐れみさえ感じた。


――ナメられている!


「どうした、ビビったのかっ!?」


声を張り上げる。


そうでなければ、この男にナメられたままだ。


ナメラれることは、我慢ならない――


「――もういいよ、ナナオくん」


横から、聞き慣れた声がした。


この声は――



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