それは、輝く星空のように
「・・・わかった、契約成立だ」


「しっかり頼むぜ。ウチの会社の一大事だからな」


「わかっている・・・」


何度、同じセリフを聞いたことか。


だが、それがビジネスだ。


失敗は死を意味する。


恭介は、学校に通い、バイトで金を稼ぐ傍ら、フロント企業の仕事を手伝っている。


フロント企業の、陰のブレーン。


それが恭介の裏の顔だ。


フロント企業とは、簡単に言えば暴力団が運営する企業である。


その収入は、そのまま暴力団の活動資金となる。


言うなれば、恭介は暴力団の手先なのだ。


暴力団の組長である彼の父親には、智徳も仕事で世話になることがある。


『じゃ、そういうことでよろしくな。七尾』


「ああ・・・」


通話を切る。


七尾。


そう呼ばれた智徳の中には、黒い感情が渦巻いていた。



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