それは、輝く星空のように
「・・・・・・」


智徳は、黒い火を燃やしたまま歩いていた。


道行く人は、智徳を見て道を空けていく。


憎悪。怨嗟。悔恨。


負の感情が智徳を支配する。


「七尾じゃない・・・」


智徳は何度も言い聞かせてきた。


自分は、羽田智徳だと。


父を思う。


誰もがその罪を軽蔑し、糾弾していた父を。


金さえあれば、父はあんなことをせずに済んだ。


そう、世の中は金だ。


「わかるものか・・・」


菜月は、知らない。


俺が。


俺こそが――



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