DEATH LIFE
 「じゃあいいわね。さあ着いたわよ」

 アユが足を止めたのは『崑崙書店』と書かれた、今にも落ちそうな看板を掲げた店だった。

 「ここは!?」

 そう、俺が幽界に来た時に上空から見たあの店だった。

 「まじ!?ここでデスサイズ造ってんの?」

 「そうよ、ブツブツ言ってないで早く入るわよ」

 アユが入口の引き戸を開けると、中から古本独特の臭いが流れて来る。

 実は俺は無類の本好きだ。
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