DEATH LIFE
 修学旅行前日……いや、結婚式前日の新郎――いや、新婦のような高揚感に包まれて俺は中へ入った。

 「いらっしゃい」

 奥から初老の男性が顔を出した。

 「こんにちは」

 アユは会釈をしながら挨拶をする。

 「おわ!これ三国志の原書じゃん!」

 「おお、アユちゃんか。立派になったね」

 「お久しぶりです、お蔭様で」

 「げ!こっちは水滸後伝も!」
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