DEATH LIFE
 キュッと結んだ淡いピンク色の唇――

 閉じられた目に影を作る程長い睫毛――

 俺はゆっくりと唇を近づけた。

 握った肩が小刻みに奮え、死神の心臓の鼓動まで伝わってきそうだ……

 「って……おおぃ!違うでしょ!?」

 唇が触れ合う寸前、俺は斥力が働いたような凄い速さで顔を離した。

 「何で俺がお前にキスしなきゃなんないんだよ!?大体、今そんな雰囲気じゃなかったよね?おかしいよね?何をどう勘違いしてキスの前フリになっちゃったわけ!?」
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