DEATH LIFE
 「じゃあ行きましょう」

 飲酒運転の乗用車が俺を撥ねた。

 大して珍しい話しでもなく、俺は走馬灯を体験する事もなく気がつくと死んでいた。

 目下には、つい今しがた歩いていた道があり、俺を撥ねた車とパトカー、救急車と野次馬根性丸出しの奴ら、後――

 俺だったモノ。


 頭上には先程から『あの世の過ごし方』を説明している死神がいる。

 黒装束に骸骨の顔――

 ではなかった。

 どこをどうみても普通の女の子。
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