DEATH LIFE
 「お疲れさまでーす!」

 アユは言うと同時にデスクから鞄を取り、走って出て行った。

 「まったく……あの娘ったら――」

 深い溜息と同時に、彼女は頭を抱えて呟いた。

 「あっ、ごめんなさいね。あの娘も生活の為に必死なのよ……」

 俺はアユの出て行ったドアを複雑な気持ちで見つめた。

 生きて行く為に必死……

 働いて、給料を得る。

 給料で様々な生活必需品を購入し、食事をし、生きる――
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