DEATH LIFE
 「キスを……」

 言いかけて、俺はハの手に何か握られている事に気付いた。

 ま、まさか!?

 今俺の唇に当てられた柔らかい物は……

 い、い、いや――そんなはずはない……

 大体あんな物を俺の唇に当てる理由が無い。

 「ん?ああ、これ?」

 ハは俺が手に握られている物を凝視している事に気付いて、その手を目の高さまで持ち上げた。

 「本当はキスをしなきゃいけないんだけど、最近これでも代用出来る事が発見されたの」
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