チョコレートな恋人

キャミ1枚になると

 「透……透……」

その下を探る

 「やっ……ひっく…」

彼女の泣き声が俺の脳に響く

頬をさわると冷たい雫

それに驚いて体を起こすと

自分の顔を覆って泣いていた

 「……ごめんっ」

彼女を抱きしめるしかなかった

自分の服を着せて

ただ泣いて謝る彼女を抱きしめるしか

 「…ひっ…ごめん……郁くん……ごめん…ね…」

俺には出来なかった


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