先輩と卒業
「瞬先輩すごい」
口から出た言葉だった。
瞬先輩はニヤっと笑った。
この人、よくニヤって笑う。
「この人、よくニヤって笑う。って思っただろ?」
またニヤっと笑った。
あたしがミエテンノ??
「お前は颯太に惚れるよ」
瞬先輩が言った。
「颯太もお前に惚れる、でも簡単な恋愛にはならない。絶対にな」
そう言った瞬先輩の目は、すごく、すごく、なんでも見透かすような目をしていた。
「じゃ、なんでそう思えるんですか?」
でたでた、あたしの反論癖。
自分でも嫌になる。
「仮に、わかってたとしたら、留真先輩とケンカしたのも、見えてたんじゃないんですか?」
「それもそうだな...なんでだろ?」
...............はあ?
「瞬先輩ワケ分かりません」
あたしは思わずため息がでた。
ーーガラッ
「瞬いた〜!探したよ。なんか先生が進路の紙のことについて話があるんだって」
留真先輩はネクタイを直した。
「えー、めんどくせっ」
だるそうに立った先輩。
「じゃ、またな」
そう言い残し出ていった。
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