先輩と卒業
11月
曇り。
今日は曇りの日だった。
あたしは保健室に今日もいる。
保健委員の仕事もたいしてないのに颯太先輩をみるためだけに来ていた。
―――ガラッ
保健室の扉が開いた。
「いったぁ...」
三年の女の人が入ってきた。
ひざをケガしていた。
「大丈夫ですか?今消毒しますね」
そう言い消毒液とガーゼを取り出した。
「バカだよね...今どきひざケガするなんて」
先輩が言い出した。
「そんなことありませんよ。何かあったんですか?」
私がその先輩に尋ねた。
「うっ...ひっく...ひっ...ひっく」
突然泣き出した先輩。
驚いたあたしはとりあえずハンカチを手渡す。
「彼氏とケンカしてっ...ひっく...突飛ばされたの...」
「どうして突飛ばされたんですか?」
「私が颯太と...ひっく...仲良くしてたからなの...でも颯太は幼なじみだから仲が良いだけなのに...ひっく...ひっ...」
「彼氏さんが誤解しちゃったんですね」
ガーゼと消毒液で先輩のケガの手当てをしながら話す。
「颯太ってね...モテるの...だから私が颯太のことを好きになりはじめたかと思ったみたい...」
手当てを終わらせ片付けをして話した。
「じゃあちゃんと話しましょう。誤解を解きましょう。先輩が彼氏さんのことを好きならちゃんと言うべきですよ。保健室今なら空いてますから!」
先輩はうんうんと言いながら教室に彼氏さんを呼びにいった。
あたしは先輩の邪魔にならないように帰った。
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