車内恋愛

7月初夏

いつも通り乗り換えをし、また話は盛り上がっていた。

決まって車両は4両目で、いつも優先席にあたる端がうちらの立ち位置。

左側は奥から、リーマン、さつき、OLの人。
右側は奥から、なるみ、愛ぼん、うちで、円になる形で雑談していた。

愛ぼんとは 相良愛(さがらあい)。小・中の同級生。さつきと同じ大学だが、学科は違う。

昔からの付き合いで、
何の咎めもなくたわいのない話が出来る友人達

高校はみんな違っていたが、
電車でまたこうしてみんなで
過ごせる時間が大好き。

食べ物の事から流れ流れで、何故か便秘でさーとかってはなしてたら

さつきの後ろにいるリーマンが「くっ」と笑った声が聞こえたような気がした。

みんな 気がつかずにおしゃべりを続けていたが、

―あ――今 笑った?―

ふと奥にいるリーマンに目をやると
左手でつり革を持ち
右手で拳を作って口に当て、肩が震え
笑いをこらえているようにみえた。

ジッと見ていたウチに
視線を感じたのか、
少しの隙間からその男性と目が合…

キキキキィィ
カーブを曲がって
電車が揺れ、
ほんの一瞬だけ目が合った・・・かも
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