大好きだった
【私…何やってんだろ…】

自己嫌悪に落ちた私


「舞花~」


私の名前を愛しそうに呼んでくれる啓太を裏切っちゃいけない


「寒いなー行くか」


「うん」


啓太の腕に手を回して

ピッタリくっついて歩きだす


大きなツリーの下


抱きあうカップルや、見上げて嬉しそうに彼に寄り添うカップル


「舞花…来年も一緒に見ような?」


「そうだね」


「まだ…翔の事想ってても良いから…」


「…えっ」


不安そうに話す啓太に申し訳なく思った。


「わかるよ…お前見てたら、翔を探してるんだろ?」

「……」


「寝言でも言ってたし」


「…ごめん」


「謝んなよ、いいんだ来年も一緒に誕生日とクリスマス過ごせたら…舞花…愛してる」


抱き締められた啓太の腕の中 こんなにも愛されてると実感してしまった。


その日は、ホテルに泊まり
2人で小さなケーキを食べた。


今までで一番幸せな誕生日だった。


もう翔ちゃんは…忘れよう。
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