大好きだった
目を開けると、視界がぼやけてる


私…泣いてたんだ。


隣には、寝息をたてる啓太

私のお腹に手を置いて眠ってる啓太


「…ごめんね…啓太」


自然に出た言葉


あれから2人で話し合って

産む事を決めたのに…


今頃…あんな夢


もう翔ちゃんとの未来なんて無いのに


もうお腹も少し出てきてるのに


「赤ちゃんゴメンネ…大丈夫だからね」


啓太の手に私の手を重ねる。


啓太の両親は、私の妊娠を凄く喜んでくれた


家を二世帯にするんだと今は、計画中


私の家族には、まだ言ってない



啓太は仕事を頑張ってくれてる


免許も沢山とって給料が上がるように勉強もしている


私と赤ちゃんの為に頑張ってくれてる



相変わらず優しい



みんな前に進んでるのに



私だけ…進めてない
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