大好きだった
卒業式の前の日


お母さんから電話があった

「明日は、卒業式に行けない」


理由は、聞く気にはなれなかった。


翔ちゃんが卒業式に、マコト君や啓太くんと、来てくれるって言ってくれたからそれで良かった。


「舞花ちゃん、ばーちゃん卒業式行ってやれたら、良かったんだけど…ごめんね」


病院に洗濯物を取りに行った私に、翔ちゃんの ばーちゃんが言ってくれた。


「ばーちゃん、ありがとう私嬉しい…ばーちゃん大好き」と抱きつくと、ばーちゃんは、私の背中を優しく撫でてくれた。


抱きしめた、ばーちゃんの体は、痩せていて、力を少しでも加えると折れそうだった。
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