大好きだった
翔ちゃんは、車椅子を押してきて、ばーちゃんを抱え乗せた。


私が、車椅子を押そうとすると


「舞花ちゃんは、私と手を繋いで、翔あんた押しなさい」

ばーちゃんと手を繋ぎ、外に出る。


「舞花ちゃん?」


「ん?」


「翔の事お願いね」


「ばーちゃん、どうしたの?」


ばーちゃんが急に改まるから、苦笑いで答えてしまった。


「翔が舞花ちゃんを家に連れて来てから、翔は、凄く優しい顔になった。」


「俺、そんなに怖かったのかよ」


「そんな事言ってるんじゃない、多分…翔は、お兄ちゃんだから、責任を感じてたんだろうねぇ…」


「そんなもん、感じた事ねぇし」


「だよねー翔ちゃんいい加減だもんね」


笑いとばす、私と翔ちゃんを、顔を少し傾けて笑った ばーちゃん


「翔?舞花ちゃん大事にしなよ…櫂と幸を不安にするんじゃないよ。舞花ちゃんは、翔が嫌いになったら、さっさと捨てていいから、でも…あの家に居てあげて櫂と幸の為に、翔を追い出して、舞花ちゃんが残りなさい」


「うゎ~ばーちゃん酷いな~」


翔ちゃんは、車椅子を止めベンチに座り込んだ。
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