大好きだった
あまりに泣く美波の肩をもって、私から そっと離したマコトくんは「美波?外で待ってよう」と美波を連れて病室を出た。


私と翔ちゃんと啓太くん


3人共黙ったままで、部屋の中は、私が鼻を啜る音だけが自棄に響いた。


「翔…舞花ちゃんに、ちゃんと話せよ」


「……」


「何も分からなくて、不安になる舞花ちゃんの気持ちも考えろよ」


何も言わない翔ちゃんに
啓太くんが怒鳴った。


啓太くんの言葉で、ハッと我に返ったように私を見て、私の手を強く握った。


「舞花…あのな」


翔ちゃんが、静かに話しだしたけど、私は顔を上げる事も出来ないで、俯いたままだった。


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