大好きだった
「聞きたくない…」


「えっ?」


「何も聞かない」


「……」


「聞いたら…許してしまうから…また翔ちゃんが…その人の側にいるのに…私は…待ってなきゃいかないから…私…翔ちゃん…許してしまうから…」


最後の方は、自分でも何言ってるか、わからなくて、ただ翔ちゃんが私の為に泣いてくれたから、もう いいやって思った。


だから…


「翔ちゃん、別れよ」


「聞いてくれよ、舞花…聞けよ」


耳を塞ぐ私を翔ちゃんが揺らす


「もう帰って」


強く、ホントに強く翔ちゃんを突き放した


呆然と立つ翔ちゃんの服には、血みたいなのが所々に付いてて、なんだか、凄く疲れた顔してて


思わず、翔ちゃんに手を伸ばしそうになったけど


「バイバイ」


と手を振って、布団に潜った。
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