君色日記

小学5年生、始動。


私の小学校には、代表委員というものがあった。

学級委員の上に属する、5年生以上の児童が入ってる、クラスじゃなくて学校をまとめるような委員会。
毎年その委員会はクラス内の選挙で決め、各クラス男女1名ずつで活動している。


そんな委員会の立候補を募る授業中、私は一人悩んでいた。



「女子、代表委員に立候補する奴いないの?」

「つんー、やればー?」

「……そーだよ、椿やればいいじゃん」

「…でも」




斉藤椿(さいとうつばき)。通称つん。
代表委員に立候補したい、小学五年生。



「なんで立候補しないのー?つん、いつもこーいうことやってんじゃんか」

「…だってー」



黒板に書かれた、立候補者の文字。女子の欄には何の名前も書いてないけれど、男子の欄には一人の名前が書いてある。


その名前は青山拓海(あおやまたくみ)。クラス一番のチビ。
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