秘密~「ひみつ」のこと
「マ~ユ~」

あたし
必死に叫んだ。

マユが振り向く。

「マ~ユ~」

あたしの必死の叫びに、
マユが校舎に向かって歩き出した。

「サキ、どうしたの?」

いつもの冷静沈着なマユ。

「マユ、たいへん!ヨッシーが…」

ヨッシーって言葉に、反応するマユ。

「えっ、ヨッシーがどうしたの?」

「いいから、早くっ!」

「でも、あたし、コウジ、待ってるから…」

「あんな奴のどこがいいの?」

すこしの間を置いて、
マユが、
厳しい目で
あたしを見つめた。

「あたしに対して、正直なとこ」

「ヨッシーのこと、嫌いになったの?」

「だって、ヨッシー、あたしがコウジと付き合ってるって聞いても、何にも言ってくれなかったよ!あたしのことなんか、どうでもいいんだよ!」

マユの目、少しだけ潤んでる。

「そんなこと、なぁ~い!マユ、兎に角、早く来て!」

あたし、
必死で、
無理やりマユを引っ張って
教室へ連れて行った。


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