秘密~「ひみつ」のこと
先輩が卒業して、
地元に帰った。

先生になるんだって!

「先輩はあたしの希望の星だよ!頑張って!」

って笑顔で見送った。

それからは、
あたし、
この都会に
一人。

たった一人、
残されちゃった…

夜、
寂しい時は、
じっと朝が来るのを待つ。

涙も枯れたしさ。

勉強したり、
本読んだり、
じっと朝が来るのを待つ。

そんな日は、
次の朝辛くて
仕事休んだ。

そんなことの繰り返し。

それって我儘かな?

あたし、
そうするより
耐える方法、
見つからなかった。

でも、
年を経ることに、
少しずつ、
変わってきた気持ち。

ちょっとだけ描いた希望。

真央先輩見習って、
あたしも、
大学、
行ってみたいなって。

もしかしたら、
その先に
何かあるかもしれない…

はかない夢、
抱きはじめてた。





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