秘密~「ひみつ」のこと
『ピィー』
心拍モニターの音が部屋中に鳴り響く。
何?何が起こったの?
「大変、ちょっと出てもらえる!」
看護婦さんが
あたしを押しのけ、
母に
馬乗りになる。
心臓が止まった?
心臓マッサージ?
ドアからは、
音を聞きつけ、
白衣の人が押し寄せてきた。
「ご家族の方?外でお待ち下さい!」
廊下に押し出され、
ベンチに座って、
待った。
あたし、
なんでこんなところにいるんだろう?
早く逃げなきゃ?
でも、
置き去りにする事ができなかった。
もしかしたら、
もう一度、
母の声が聞けるかも…
そんな期待が
残っていたのかも…
喧騒の通り過ぎた後、
あたしの前に
白衣の男が立った。
医者?
「ご家族の方ですか?」
「…はい」
小さくうなずいた。
「15時03分でした…お悔やみ申し上げます」
「死んだ?」
あたしの言葉に、
その男はちょっとまごついた。
だってさ、
あたし、
さっき来て、
ちょっと会って、
それで、
死んだ?って…
「どうぞ、なかへ…」
さっきの看護婦さんが、
あたしの肩を抱く。
「最後、会えて、良かったね」
掛けてくれた言葉、
何気ない優しさ、
悲しくなんかない筈なのに、
何故か、
涙が頬を伝った…
心拍モニターの音が部屋中に鳴り響く。
何?何が起こったの?
「大変、ちょっと出てもらえる!」
看護婦さんが
あたしを押しのけ、
母に
馬乗りになる。
心臓が止まった?
心臓マッサージ?
ドアからは、
音を聞きつけ、
白衣の人が押し寄せてきた。
「ご家族の方?外でお待ち下さい!」
廊下に押し出され、
ベンチに座って、
待った。
あたし、
なんでこんなところにいるんだろう?
早く逃げなきゃ?
でも、
置き去りにする事ができなかった。
もしかしたら、
もう一度、
母の声が聞けるかも…
そんな期待が
残っていたのかも…
喧騒の通り過ぎた後、
あたしの前に
白衣の男が立った。
医者?
「ご家族の方ですか?」
「…はい」
小さくうなずいた。
「15時03分でした…お悔やみ申し上げます」
「死んだ?」
あたしの言葉に、
その男はちょっとまごついた。
だってさ、
あたし、
さっき来て、
ちょっと会って、
それで、
死んだ?って…
「どうぞ、なかへ…」
さっきの看護婦さんが、
あたしの肩を抱く。
「最後、会えて、良かったね」
掛けてくれた言葉、
何気ない優しさ、
悲しくなんかない筈なのに、
何故か、
涙が頬を伝った…