秘密~「ひみつ」のこと
静かになった部屋で、
母の死顔を見つめていた。
謝ったって、
絶対許してやらない!
あたしが聞きたかったのは、
そんな言葉じゃない!
『コンコン…』
開いたドアをノックする音。
振り向くと、
また知らない男の人。
「こんな時に悪いけど、後で1階の入院窓口に行ってもらえるかな?」
「ハイ?」
「これからのこと、説明あるから…」
嗚呼、
そうね、
このまま寝かせておく訳、
いかないものね。
母はこの後、
霊安室へ移され、
葬儀の準備を待つことになるらしい。
死亡届、
出さないといけないって。
葬式ったってね、
家族、
あたし一人だよ。
入院費の滞納もあるんだってさ。
735,000円
そんな大金、
あたしにある訳ないじゃん!
だいたい何で、
あたしが払わなきゃいけないのさ!
母の手荷物の中にあったアパートの鍵。
逃げ出した、
家の鍵、
母と暮した、
想い出の場所…
母の死顔を見つめていた。
謝ったって、
絶対許してやらない!
あたしが聞きたかったのは、
そんな言葉じゃない!
『コンコン…』
開いたドアをノックする音。
振り向くと、
また知らない男の人。
「こんな時に悪いけど、後で1階の入院窓口に行ってもらえるかな?」
「ハイ?」
「これからのこと、説明あるから…」
嗚呼、
そうね、
このまま寝かせておく訳、
いかないものね。
母はこの後、
霊安室へ移され、
葬儀の準備を待つことになるらしい。
死亡届、
出さないといけないって。
葬式ったってね、
家族、
あたし一人だよ。
入院費の滞納もあるんだってさ。
735,000円
そんな大金、
あたしにある訳ないじゃん!
だいたい何で、
あたしが払わなきゃいけないのさ!
母の手荷物の中にあったアパートの鍵。
逃げ出した、
家の鍵、
母と暮した、
想い出の場所…