秘密~「ひみつ」のこと
何処をどうやって帰ったのか…

気がついたら、
家にたどり着いてた。

無意識の帰還。

そう、
あたしの帰るとこ、
ここしかないんだよね…

必死に守ってきた、
家族という器。

見せ掛けの幸せ。

求めていた『愛』は、
何処にもなかった。

全ては幻だった。

嗚呼、
全てを、
無に、
始めからやり直せたら、
そしたら、
少しは
賢く
立ち振る舞って見せるのに…

でも、
もう遅いね。

あたし、
もう、
消えてなくなりたい!
もう、
苦しいのは嫌。

あたし、
風呂の中で、
無我夢中で手首を切った。

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