秘密~「ひみつ」のこと
「母さん?」

和徳が目を覚ました。

「嗚呼、良かった、目が覚めたんだね!」

和徳の笑顔が眩しい…

「死んでしまいたかった…」

和徳、
あなたは何でそうな風に笑えるの?

「母さん、それは俺がいるせい?俺がいるから死ぬほど苦しいの?」

和徳の真直ぐな瞳が、
あたしに注がれる。

「あなたには関係ない…母さんは自分が嫌になったの…」

嗚呼、あたしは、
この子の瞳が真直ぐには見れない…

「俺が父さんの子でないから?」

身体が凍りついた。

この子は知ってる?

「なんで、そんなこと…」

「俺、知ってるよ」

「いつ、から?」

「小学校六年のとき…」


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