秘密～「ひみつ」のこと

運命

「ごめんなさいね、無理言って…」

平日昼間のランチタイム、
あたし、
優子さんと会ってる。

「今日、やっと休みが取れたから…」

「いえ、あたしは暇ですから…」

「そっか、翔一さんに、仕事止めさせられたんだっけ…」

「止めさせられたっていうか、見てられないって、止められたってゆうか…」

「もう、結婚するって決まったんだから、あの家に移ればいいのに…」

「でも、まだ、結婚してませんから…」

「そう思って、あたし、荷物片付けたのになぁ」

「あなた、なんか、まだ、あたしにわだかまりない？もしかして、今日も、あたしに、なんか難癖付けられるかもって、疑心暗鬼だったりして…」

「まぁ、少しは…だって、優子さんの話って、何か分らないし…」

「じゃあ、最初に、一言、言っとく。あたし、翔一のこと、諦めた訳じゃないの。これからも関係は続けるつもり」

「えっ？」

「誤解しないで！友達としてよ」

「あたし達、知り合って、２０年以上にもなるのよ。咲もいるし、離婚したからって、ハイさよならって訳には行かないでしょ？」

「まぁ、そうかもしれませんね」

「だから、家族くるみのお付き合い、続けさせて欲しいの！だって、あたしは、あなたとサキのキューピットでしょ？」