秘密~「ひみつ」のこと
それから、
優子さんとは、
咲のこと、
一杯話した。

咲の小さかった時のこと、
咲の好きなこと、
咲の好きな食べ物、
咲の癖、
咲の苦手なもの…

優子さん、
咲のことなら、
何でも分ってるんだ…

「でもね、今のサキのことは、分らないわぁ~」

優子さんが呟く。
あたしの考えてたこと、
分ったのかな?

「大きくなったサキには、『ひみつ』もあるだろうし、一人の立派な人間だしね。もう、あたしの想像の域、超えてるわぁ~」

「そうなんですか?一緒に暮してても、分らないことってあるんですか?」

「当たり前じゃない?本当に分ってるのは、自分のことだけよ!あなただってそうでしょ?」

「あたしは、自分のことも良く分りません!」
なんか、きっぱり答えてた。

「フフ、分らないって、分ってることが、分ってるってことじゃないかしら?」

「唯さん、きっと、あなたに足りないのは、自分に対する自信。あなた、もっと自分を好きにならなくちゃ!」

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