秘密~「ひみつ」のこと
ちゃっかり参加したカズがあたしに囁く。

「お前、あんな感じになるのかな~」

お腹大きいけど、
唯ママって、
ほんとに綺麗。

「あたしも、唯ママみたいになりたいなぁ」

「お前だって、綺麗だよ、ほんと、一番」

カズがしっかりとあたしの手を握る。

「お世辞でも嬉しいよ」

「俺はホントの事しか言わないの!」

なんか、くすぐったい。

あっ、パパと唯ママがこっちへ来る。

「サキ、彼が和徳くんかい?」

「そう、こちらが私のボーイフレンドの佐藤和徳くんで~す」

あたし、しっかりカズと腕組んで紹介した。

「はじめまして、佐藤です。サキさんとは、バスケ部で一緒です」

「よろしく。サキの父です」

で、カズが唯ママの方を向くと、
唯ママは、何だか居心地悪そうに下を向いた。

どうしたの?唯ママ?

あたし、慌てて唯ママの隣に立って
唯ママの替わりに紹介した。

「で、こっちが、あたしの唯ママで~す」

顔を上げて笑った唯ママの目には涙がたまってた…
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