秘密~「ひみつ」のこと
目が覚めると、
翔一さんがいた。
翔一さんが、
あたしの手を握って、
じっとあたしを見つめていた。

ここは何処?

あっ、
そうだ、
翔?
翔はどこ?

「翔一さん、翔は?」

「君が目覚めたら、連れてきてもらえるよ」

「ユイ、ありがとう!」

「えっ」

「君が目覚めたら、真っ先に言いたかった。君は頑張ったよ、立派な母親だった!」

「…」

涙が出た。

あたし、
母の資格、
ある?

「翔に会いたい…」

「そうだな、翔を連れてこよう。でも、その前に…」

翔一さんは、
あたしに、
優しくキスをしてくれた。

「ユイ、愛してる」

あたしの心、
幸せで溢れてた。
< 194 / 235 >

この作品をシェア

pagetop