秘密~「ひみつ」のこと
「マユ」

優しい声が耳元で聞こえて、
あたし、
ヨッシーに抱きしめられてた。

「マユ、俺、自分に自信なくてさぁ、お前に愛されてる自信なくてさぁ、毎日一生懸命勉強もして、お前より頭良くなって、お前に尊敬されるような、お前を守ってやれる強い男になりたくてさぁ、お前を抱くのは、まだ早いって、俺、勝手に思ってさぁ、それでお前を悲しませたなら、ごめん」

「馬鹿ヨッシー…」

あたし、
ヨッシーの胸に顔うずめて泣いた。
身体震えて、
涙が止まらなかったんだ…

ヨッシー、
あたしの顔をそっと上向けて、
優しく涙ぬぐいながら、
キスしてくれた。

あたしが、
キスしてって
言ってないのにさ…

初めてだね…




< 204 / 235 >

この作品をシェア

pagetop