秘密~「ひみつ」のこと
予想に反して、
俺達の罰ゲーム。

マユが俺を負ぶって歩き出す。

なんか、
俺、
恥ずかしいやら、
嬉しいやら、
複雑な気持ち…

やっぱ無理だよなぁ~
俺、
痩せて見えるとはいえ、
体重80kgはあるんだぜ!

途中、
マユが
耐え切れなくて
崩れた。

何のために、
マユは
俺を負ぶってくれた?
もしかして、
俺のため?

そんなこと考えながら、
気がついたら、
マユを負ぶって走りだしてた。

もしかして、
俺の
馬鹿馬鹿しい「ひみつ」を広めるため?
俺の中途半端な気持ちを
お前は見透かしてた?

マユの膝からは、
本当に血が滴り落ちて、
しっかり、
膝っこ像が擦り剥けてた。

消毒しながら、
俺、『痛いか?』
って何度も聞いた。

マユは少しも動じてないように見えたけどなぁ~

なんか、
二人で保健室、
怪我の手当てして、
向き合ってたら、
肘の怪我で野球を諦めた、
そんな自分が今ここにいて、
そのお陰で、
今、
マユと向き合ってる
そんな風に思えてさぁ、

「マユ、サンキュー。俺、吹っ切れたよ!」

って、笑って言ってた。

「で、俺と付き合ってくれる?」









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