秘密~「ひみつ」のこと
驚いたよ、
冗談のつもりで付け足した言葉、

「いいよ…」

マユがあっさりオッケーしてくれた。

あの日から、
俺達、
クラブのみんなの公認カップル。

俺、
幸せだよ~

マユのこと、
ずっと好きだった。

まさか、付き合えるとは…

それでも、
やっぱり、
マユはクールで、
俺が、
馬鹿やって、
みんなを笑わせてると、
何やってんの、
って顔で遠くから俺を見てる。
絶対、
一緒に笑いの輪には入ってこない。

試合の時、
俺の超カッコイー姿に歓声が上がる。

「マユ見てたぁ~俺、モテモテ~」

俺の存在感アピールする唯一の機会だかんねぇ。

マユにもさぁ、

『キャー、ヨッシーカッコイイ!』

とか言って、歓声上げてもらいたいよぉ。

それなのにマユの奴、

「そんなにモテたいんなら、あたしと別れたら?」

だって…

俺、「マユ、ヤキモチ妬いてんだぁ」
って、笑って誤魔化した。

正直、心の中では泣いてたんだぞぉ。

マユ、
お前、
何で俺と付き合ってんだぁ?

マユ、
お前、
俺のこと好きかぁ?




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