秘密~「ひみつ」のこと
そんな時、
彼に出会った。

他の部署から移動して来た、
二つ年下の後輩。

後輩っていう気安さから、
軽い気持ちで
「ひみつ」を打ち明けた。

「あたし達夫婦って、セックスレスなの…」

「えぇ~っ、容子さんって、はっきり言って結構魅力的ですよ。何で旦那さん、求めてこないのかな。俺だったら、容子さんに迫られたら、がまんできないな」

彼の言葉に、
なんか、心をくすぐられた。

忘れてた、
恋する気分。

飲みに行った勢いで、
誘われて、
身体の関係を持つようになった。

女として認められる快感。

愛されてる、
と思った。

彼は、避妊を嫌がった。

デートの度、
急き立てられるように激しく求められ、
拒めなかった。

避妊を強要したら、
愛されなくなる…
と思った。

そんな不安な気持ちが、
あたしの快感に拍車をかけた…

そして、
まさかの妊娠。

僅かな期待。






< 47 / 235 >

この作品をシェア

pagetop